「おしゃれなカフェサイトにはしたくない」から始まった制作
大阪・中崎町にある、小さなスペシャルティコーヒー店。苔と自然をテーマにした店内の空気感を、そのままサイトにも表現したいという依頼(架空案件)でした。
ヒアリングで最初に出てきたのは、「おしゃれなカフェサイトにはしたくない」という言葉でした。よくあるカフェのテンプレートのような、洗練されすぎた雰囲気ではなく、苔むした空気の静けさや、居心地の良さを大切にしたい、とのことでした。
苔と自然というテーマを、色や形にそのまま置き換えるのではなく、まず「静けさ」という感覚に翻訳するところから始めました。装飾的な要素を足すのではなく、店内の写真そのものに語らせる構成にしたのは、言葉で説明するより、空気感を直接見てもらう方が伝わると考えたからです。配色も、鮮やかな緑を前面に出すのではなく、深いグリーンと落ち着いた照明の色を基調にしました。派手さより、長く居ても疲れない色を選んでいます。
余白も、装飾のためではなく機能として使いました。写真とテキストの間にゆとりを持たせることで、実際の店内に足を踏み入れたときの「間」の感覚を、画面の中にも残しました。

完成したサイトでは、トップページを開いた瞬間に、店内の静けさが伝わることを意識しました。ファーストビューでは大きな余白を取り、写真とコピーだけをシンプルに配置しています。メニューページも一覧性より、一杯ずつ丁寧に紹介する構成にしました。

「おしゃれなカフェサイトにはしたくない」という最初の言葉は、完成したサイトにもそのまま反映されています。装飾を削ぎ落とすことで、かえって店の空気感が伝わるサイトになりました。